契約結婚なのに、凄腕ドクターに独占欲剥き出しで愛し抜かれました
パンフレットの表紙では、純白のウェディングドレスを身に纏い、かわいいブーケを持った女性が笑っている。

それを見るだけで幸せな気持ちになる。

「悠さんのタキシード姿、素敵だろうなあ」

「凜のウェディングドレス姿見たら、俺泣くかもしれない」

「えっお父さんじゃあるまいしっ」

口元は微笑んでいるけど、悠さんは茶化して言っているようには見えない。

「悠さん、私、着てみたいウェディングドレスがあるんです。
前に雑誌で見たんですけど」

いつだったか、美咲の部屋に行った時に見た雑誌で、新進気鋭のファッションデザイナーの特集が組まれていた。

その中に、ウェディングドレスの写真も載っていたのだ。

あの頃は自分が結婚するなんて思っていなくて、ただ他人事のように『いつか』の憧れを膨らませていただけだったけど。

「そうか、ドレスの試着もしに行かなきゃいけないな。
そういうのも女性にとっては夢なんだろ?」

「でも悠さんと行ったら楽しみが半減しちゃいますね。
悠さんには当日見せたいから…」

美咲と見に行こうかな、なんてのんびり考えながらふと悠さんを見たら、悠さんはどこかをぼんやり見つめていた。



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