契約結婚なのに、凄腕ドクターに独占欲剥き出しで愛し抜かれました
膝上のワンピースからは長い足が伸びている。

その姿はランウェイを歩くモデルのようにスマートでかっこいい。

後ろ姿からも綺麗で洗練された雰囲気が漂っている。

あんな先生がいたら、患者さんが惚れちゃうんじゃないかな。

ううん、患者さんだけじゃなくて医療スタッフも、先生方も…


そこまで考えて、また悠さんを見上げた。

悠さんは私を見下ろし、気まずそうに小さく笑った。

「…ごめん。言ったら不安にさせるかもしれないと思って、言うのを迷ってた」

その言葉だけで意味は通じた。

「元カノさん、ですか?それってもしかして…」

「…そう。8年前の彼女」

もらってきたパンフレットをぎゅっと握りしめた。

悠さんにひどいことを言って傷つけたんだから、もっと性格の悪そうな人なんだと思ってた。

だけど、笑顔もやさしいし、物腰もやわらかい。

きつそうな人には全く見えない。

悠さんとの確執も感じられない。

なのに…同じ病院で一緒に働くなんて…

また2人が関わり合う機会ができるなんて…


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