契約結婚なのに、凄腕ドクターに独占欲剥き出しで愛し抜かれました
突如胸ポケットのPHSが鳴ってビクッとしながら、赤いネックストラップを引っ張った。

「はい、栄養課相沢です」

『内科の風間です。お疲れ様』

耳に響く、低く通る声。突然の電話にびっくりしてすぐに声が出なかった。

『NST、辞めさせられることになったって聞いた。本当に悪かった』

「いえっ先生は何も…」

『お詫びに今日食事でもと思ったんだけど、時間は空いてるか?』

「そんなっ…気になさらないでください」

少しこちらの様子を窺うように、小さく沈黙を挟んだ。

『…昨夜の話もあらためてしたいんだけど』

ドキッと胸が跳ねる。

夢だったんじゃないか、なんて思っていたのに。

先生が本気なんだとしたら、その辺りについては私もちゃんと話をしたい。

「…じゃあ、お願いします」

先生に見えているわけじゃないのに、頭を下げた。

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