契約結婚なのに、凄腕ドクターに独占欲剥き出しで愛し抜かれました
待ち合わせ場所は職員駐車場の裏。

日が短くなってきたこの季節、建物の陰になっていて私はきっと周りからは見えない。

約束の午後七時を少し過ぎて、壁をライトが照らし、黒いセダンがやって来た。

フロントグリルについている青と白のエンブレムマークは、有名な海外メーカーのものだ。

窓が開いて先生が顔を覗かせる。

「お待たせ。乗って」

「はい」

言われるがまま助手席に乗り込もうとすると、車内が思ったより広くてもたついてしまった。

車足元がゆったりしていて、シートもやわらかくフィット感がある。

なんだかちょっと高級なオフィスチェアのようで落ち着かない。

昨夜のタクシーとは座り心地の良さが全然違う。

そわそわしながらシートベルトをつけると、車は静かに発進した。

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