契約結婚なのに、凄腕ドクターに独占欲剥き出しで愛し抜かれました
くすぐったい気持ちになりながら食卓へ回ろうとしたら、先生は私の腕を引っ張って頭ごと引き寄せ、啄むようにリップ音を立てて唇にキスをした。

「ただいまのキス」

え?

今…キスした?

不意打ちを食らって一瞬何が起こったのかわからなかった。

初めてのキスなのに、あまりにもさらっとしていたから心の準備をする暇もなかった。

…契約結婚って、こんな本当の新婚みたいな感じでいくの!?

「いただきます」

私の動揺をよそに、サンマの煮つけに箸をつけた先生は目を丸くした。

「あ、うまい」

「本当ですか?よかったです」

人にご飯を作ることなんて今までなかったから、おいしそうに食べてもらえるとホッとする。

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