契約結婚なのに、凄腕ドクターに独占欲剥き出しで愛し抜かれました
「恥ずかしいので、その辺りは勘弁してもらえませんか?」

愛想笑いで返し、早くこの場を立ち去ろうとコーヒーをごくごく飲む。

「女嫌いの風間先生を落とす女性なんて、興味があるのは当然じゃないか。相沢さんは彼のファンなの?」

「いえ、特に…モテるのは知ってましたけど」

「へえ、あんまり興味なかったんだ。珍しいね、女性はみんなイケメンを見れば喜ぶのに」

「そうですかね…」

なんだか感じの悪い先生だな。

女性を馬鹿にしているみたいな言い方だ。

『そろそろ帰ります』と切り出そうとしたところで、先生はソファに手をついて突然こちらに身を乗り出した。

その目はまるで獲物を狙う獣のようで、背筋がぞっとする。

「本当は顔がよければ誰でもよかったんじゃないの? たとえば俺とか」

この先生…なにを言っているんだろう。

失礼にもほどがある。

「違います。私は…」

「俺のほうが風間先生よりずっといいかもよ?」

ソファが沈んで軋んだ瞬間に顔が近くなって、思わず立ち上がった。

「私っもう失礼します!コーヒーごちそうさまでしたっ」

急いで休憩室を出て廊下を走る。


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