ブラックサンタクロース



「社長」


リョウコがスタッフに呼ばれ、控室から不服そうに出ていく。


舌打ちをして、テーブルに置いてあった花束を木っ端微塵に引き裂いた。


「なんなの。あの態度」


これまでいうこと散々聞いてきてあげたのに。

そんなに機嫌を損ねられる意味がわかんないんだけど。


僕はどうしてリョウコに好かれないのかな。

男としてだけでなく。商品としても。


全然"愛され"ない。


そりゃあ、見た目は、リョウコから見たら子供だけどさ。


中身はよっぽどオトナで。

これまで落とせない人間の女なんていなかった。


チョロいはずなのに

リョウコの攻略法だけは、わからない。

 
はやくリョウコが食べたい。


食べたいのに。


あの女――……


「ぜんっぜん美味しく育ってくれないんだもんなぁ」
< 165 / 214 >

この作品をシェア

pagetop