ブラックサンタクロース
「社長」
リョウコがスタッフに呼ばれ、控室から不服そうに出ていく。
舌打ちをして、テーブルに置いてあった花束を木っ端微塵に引き裂いた。
「なんなの。あの態度」
これまでいうこと散々聞いてきてあげたのに。
そんなに機嫌を損ねられる意味がわかんないんだけど。
僕はどうしてリョウコに好かれないのかな。
男としてだけでなく。商品としても。
全然"愛され"ない。
そりゃあ、見た目は、リョウコから見たら子供だけどさ。
中身はよっぽどオトナで。
これまで落とせない人間の女なんていなかった。
チョロいはずなのに
リョウコの攻略法だけは、わからない。
はやくリョウコが食べたい。
食べたいのに。
あの女――……
「ぜんっぜん美味しく育ってくれないんだもんなぁ」