ブラックサンタクロース


「するか」

「え。うそ。本当に?」

「消えろ」

「奥手すぎるよ、ジェイド。なにしてるの」


そのとき、


「サンタさん、ジェイドっていうんですか」


莉音が驚いた顔をしてそう言った。


「キミは名前も明かしてなかったの?」


いいから失せやがれ。


「ジェイド……って、可愛い」

「人間としては『羽山仁(はやま じん)』で登録されてるよね。羽山刑事」

「出てけ。不法侵入で捕まえんぞ」

「手錠なんてもので僕が捉えられるとでも?」

「だったらこの場で息の根を止めてやろうか」
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