ブラックサンタクロース
そういうと、アマリはソファにかけた。
「僕がキミに情報提供してあげる」
「お前が?」
「今夜はそのために来たんだ」
よこせってわけじゃないのか。
「見返りは?」
「そんなのいらないよ」
「なに?」
「僕らは、数少ない、同士だからね。キミの役に立ちたいんだ」
それはどうかな。
お前が俺に近づくときはいつだって裏があるだろ。
「自分がXです、なんてくだらねぇオチはやめてくれよ?」
「まさか。やめてよ。あんな芸術センスゼロのこと、僕がするわけないでしょ」
人を殺すのに芸術もクソもねぇだろうがと。
そう考えてしまう自分が、人のようで気持ち悪いとも思う。
所詮は、人の皮を被った、バケモノなのにな。
「Xは、快楽殺人犯だって言われてるよね。キミはそうは思ってないんじゃない?」
「…………」
「まあいいや。これ見てよ。僕の事務所に、こんなものが届いたんだ」