いとしい君に、一途な求婚~次期社長の甘い囁き~
「じゅ、十分すぎるというか、贅沢すぎるというか」
まさか、スイートルームから花火が見れるなんて考えもしなかった私はひたすら呆気にとられてしまう。
すると、そんな私をいち君は心配そうに見つめた。
「もしかして、気に入らなかったかな?」
「そんなことないよ! ただ一瞬、喜びより驚きの方が勝ってしまっただけで、こんな特等席で見れるなんて凄く嬉しい。ありがとう、いち君」
笑みを浮かべて告げれば、いち君は安堵し破顔する。
「良かった! あ、沙優。夕食はまだだよね?」
機嫌良く尋ねられて頷くと、彼もまた首を縦に振った。
「実は、屋台をまわれないから気分出ないかなと思って用意したんだ。適当に座ってちょっと待ってて」
「え、あの、何か手伝うよ!」
「今日、沙優はお礼される側だろ? いいから座ってて」
優しく制されて、私は仕方なく諦める。
貰った花束をピアノの上にそっと置く。
そして、豪華な調度品を視界に捉えつつ窓際に寄って、オレンジ色に染まる港の景色を見下ろした。
キッチンから、いち君がレンジを使う音や冷蔵庫を閉める音がする。
本当に手伝わなくていいのかなと、ダイニングの方を見ると、ちょうど彼がこちらにやってきた。