いとしい君に、一途な求婚~次期社長の甘い囁き~
毎度一途さをアピールする文面。
けれど、今日の心臓は落ち着きをなくして忙しなく脈打っている。
それは、今まで信じられなかった彼の行動、気持ちが、今日、零した本音により少し信じられるようになったからだ。
昼間は意識しそうになって無理矢理逃れてみたけど……
「そろそろ、認めないとダメかも」
好きかどうか、結婚に至るかどうかは別として、いち君は私の中で恋愛対象に入っている。
それはもう間違いなさそうで。
手紙を手にテーブルに突っ伏すと、独りごちる。
「やっぱり悔しいなぁ」
どうやら、昔も今も、私はいち君に弱いらしい。