いとしい君に、一途な求婚~次期社長の甘い囁き~
何か無理をして、やけ酒でも食らったのか。
とりあえず、グラスに口をつけたいち君の横に腰を下ろすと、ソファが小さく軋む音を立てる。
テーブルの上には高級そうなワインやウイスキーのボトルが置かれていて、私はそれらを眺めた。
「いち君も、お酒飲むんだ」
デートの時はいつもコーヒーや紅茶を頼んでいてアルコールを飲んだことはなかった。
子供の頃の印象がまだ強いせいか、はたまた王子様なルックスがそうさせるのか、彼とお酒がうまく結び付かなくてついそんな風に声を零すと、いち君はお水を飲み干しグラスをテーブルに置く。
「もちろん飲むよ。まあ、強くはないけどね」
「私も強くないけど好きだよ」
とは言え、シャンパンやカクテルくらいしか飲めないので好きの幅は狭いのだけど。
「いいなぁ、お酒は。沙優に好きって言ってもらえて」
やはり酔っているのだろう。
いち君はとろりとした瞳を細めて微笑んでいる。
「お酒に嫉妬?」
本当のところ、彼の雰囲気と言葉にドキドキしてるんだけど、余裕ぶって返した。
私の質問にいち君はケラケラと笑って「そうだよ」なんて答えている。
ああ、やっぱり彼は相当お酒を飲んだようだ。