恩返しは溺甘同居で!?~ハプニングにご注意を!!
日常生活に甘さが増してから、数日後の今日。修平さんは早番で出勤する私を車で送って来てくれた。
というのも、あの日からずっと置きっぱなしにしてある私の自転車を、彼が修理に出してくれる為だった。
職員用の裏口の横にある職員専用駐輪場に、車を付けた修平さんは、さっそうと車から降りる。もう松葉杖なんか必要のないしっかりとした足取りで、そこにポツンと一つだけ残されている自転車のところまで行き、「これが杏奈のだよね?」と確認した後、軽々とそれを持ち上げて、車のバックドアから自転車を積み込んだ。
「じゃあ、預かるね。今日行く現場の近くに自転車屋さんがあるから預けてくるよ。パンクだからすぐに直ると思うから、杏奈の退勤時間までに持ってきてここに置いておくよ。」
「うん。ありがとう。でも本当にいいの?お仕事の邪魔にならない?」
「大丈夫。杏奈は本当に心配性だな。」
苦笑しながら私の頭を撫でる。
「俺がやりたいからやるだけ。杏奈が迷惑じゃないなら好きにさせて?」
私の頭を撫でながら、私の顔を覗き込んでくる彼の瞳が甘くて、ちょっと困る。
顔が段々と赤くなってくるのを感じて、慌てて彼から離れる。
「こっ、これ、鍵。」
犬のキーホルダーの着いた自転車の鍵を握った手を、彼に向かって差し出す。
「お言葉に甘えて、よろしくお願いします。」
「うん。じゃあ、預かります。」
嬉しそうにニコニコしながら、修平さんは差し出された鍵を私の手ごと握った。