恩返しは溺甘同居で!?~ハプニングにご注意を!!

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 「それで?そろそろ瀧沢さんの足も治る頃でしょう?」

 「はい。明日、整形外科に行って診てもらうことになってます。」

 仕事の昼休憩に、休憩室でたまたま一緒になった千紗子さんと、お弁当を食べながら話をしている。

 「瀧沢さんの足はもう大丈夫そうよね。」

 「えっと…多分大丈夫だと思います。」

 「でしょうね…今朝のアレ、見ていたのは私だけだから大丈夫よ。」

 そう言って千紗子さんは、意味ありげにニッコリと笑う。
 『今朝のアレ』を思い出して私は思わず赤面してしまった。


 『今朝のアレ』の出来事とは、修平さんが私を図書館まで送って来てくれた時のことだった。
 
 お祖母様のお墓参りのあの日、私のことを「好きだ」と言ってくれた彼は、その場で私の返事を訊かず、むしろ、「俺のことを好きになって貰えるように頑張るよ」と言って、私には何も求めなかった。

 私に告白して以降の彼は、なんていうか、すごく…甘くなった。
 
 一緒に暮らしているからと言って、それを盾に強引なことをして迫ってきたりはしない。以前の『優しい同居人』のままなのだけれど、とにかく甘い。
 「可愛い」と言うのは日常茶飯事の上に、挨拶代わりに私の頭を撫でたりするのも以前よりも増えたし、唇以外へのキスも遠慮ない。私だけがいつまでもそれに慣れずに、その都度あわあわと慌てて赤面してしまう。そんな私を見て笑う彼の瞳が甘くて、私はその瞳に見つめられるとどうしてよいか分からなくなってしまうのだ。
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