恩返しは溺甘同居で!?~ハプニングにご注意を!!

 しっとりと柔らかいそれが、彼の唇であると、理解するまでの時間、瞬き三つ分。
 見開いた目に映るのは、瞳を閉じた彼の長い睫毛。
 柔らかな唇が、ぴったりと私の唇に合わさっている。

 わたし…しゅうへいさんとキス、してるの…?

 あまり突然のことに、身じろぎすることも出来ない。

 目の前の瞳がゆっくりと開かれると、目と目が合わさった。
 開かれた瞳は、妖しい輝きを宿している。

 少しだけ、触れるか触れないかぐらいに唇を離した彼が、そっと口を動かした。
 
 「目を閉じて、杏奈。」

 彼が話すと唇の先がかすかに触れ合う。
 そのくすぐったいような、もどかしいような感触に体が震えた。

 私の腫れぼったい瞼の上に、彼は一つずつ優しい口づけを落とした。
 彼の唇が瞼に触れて、反射的に瞳を閉じる。
 その瞬間、再度修平さんの唇が重なった。
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