恩返しは溺甘同居で!?~ハプニングにご注意を!!
一度目は重ね合わせるだけだった口づけが、今度は啄ばむように上唇と下唇を食まれる。形を確かめるように彼の唇が私のそれぞれの唇を挟んで吸う。
初めての感覚に戸惑うばかりで、私は抵抗することすら思いつきもしなった。
ただ、暴れ狂う心臓の音と、彼の唇が時々立てるリップ音だけが、耳の奥にこだましている。
時間を掛けて唇を堪能された私は、体中が熱すぎて足が震えてもう立っていられなかった。
ドアに背を預けたままズルズルとしゃがみ込みそうになる私の腰を彼の腕が支える。
その間も、彼の唇は私のそれに合わさったままだった。
「…悪い」
力の抜けきった私を抱き止めた修平さんは、私を抱きしめながらそう言った。
「杏奈の答えが出るまで待つつもりだったんだけど…。」
耳元で囁くように言う彼の吐息が熱い。ただでさえ、耳元で喋られるだけで恥ずかしいのに、彼はそのまま「はぁ~~っ」と大きくため息をついた。
ピクリ、と肩が跳ねる。体の熱がこれ以上上昇してしまったら、私は溶けてしまうのかもしれない。
そんな私の事情なんか知らないとばかりに、修平さんは私の肩に額をコトン、と乗せた。
「杏奈が反則したんだからな。」
「………。」
「そんな可愛いこと言われて、紳士でいられる男なんか居ないって、覚えた方がいいよ。」
言い終わったと同時に、修平さんは私を抱え上げた。