恩返しは溺甘同居で!?~ハプニングにご注意を!!

 彼の背中が大きく跳ねてから、動きを止めた。
 ドアノブに手を置いたまま、私の方を振り返らないその背中からは、彼の『拒絶』が感じられる。

 私が、グズグズしてたから…ううん、最初から修平さんの『好き』は私が思っていたのとは違ったのかも…

 初恋の二の舞の予感がして、胸が苦しくなる。
 悲しくて、苦しくて、思わず顔を両手で覆って俯いた。

 「いかないで…わたしのこと、なんとも思ってなくてもかまわない…」

 『なんとも思ってなくてもかまわない』なんて全然嘘だ。でも、ここで彼を部屋から出してしまったら、何かが変わってしまう予感がして、たとえ嘘でも彼を引き止めたくて仕方なかった。
 胸が張り裂けるほど傷んで、目からは涙が溢れだして、顔を覆った指の隙間からこぼれ落ちる。

 「ううっ、ひっく、ひっく…」

 涙と一緒に嗚咽も漏れ出る。
 その時、私の体が温かいものに包まれた。



 
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