恩返しは溺甘同居で!?~ハプニングにご注意を!!


 仕事を終えて帰宅すると、なんとなく家を出た時と違う感じがした。
 キッチンからダイニング、リビングと一続きになった広い部屋を、ぐるりと見渡してみると、ダイニングテーブルの上に、朝出る時には無かった紙が置いてあることに気付いた。
 テーブルの紙の前に立つと、ここ数日で随分と見慣れた文字が書かれていることに気付く。


 『 杏奈へ

  おかえり。仕事お疲れさま。
  
  今夜は完全に泊まり込みになるので、準備をしに一旦帰って来たんだ。
  今夜はしっかりと戸締りして寝るようにね。

  俺はそろそろ限界だよ。杏奈が足りない。
  君はそんなことはないだろうけど。

  もう少しで片付くから、その時は杏奈を補充させてね。

                       修平 』


 「修平さん………」

 彼の名前を呟いた。
 目の前の文字が、どんどんぼやけていく。

 「私も修平さんが足りないよ…。」

 胸がキュウっと締め付けられて、瞼に熱が集まってくる。
 
 「一人でのお留守番で泣きべそかくなんて、小さい頃以来かも…」

 グズグズと鳴る鼻をすすって、ちょっと笑った。
 そんな私のところにアンジュがやってきて、私のお腹に鼻を擦り付けてくる。

 「ごめん、アンジュ。一人じゃなかったね。一緒にお留守番頑張ろうね。」

 こぼれかけた涙を引っ込めるために、大きく息をついてから、アンジュを撫でた。
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