恩返しは溺甘同居で!?~ハプニングにご注意を!!
翌日火曜日。遅番だった私は、いつもより長い時間をかけてアンジュの散歩をした。大好きな河川敷をゆっくりと歩いて、途中、アンジュをブラッシングしてあげたり、ボールを使って遊んだりして、彼女とスキンシップを沢山取った後、図書館へと出勤した。
今朝も修平さんの帰宅の痕跡は見られず、置き手紙もなかったけれど、いちいちメソメソしないことを自分に誓った私は、心に決めた通りに出来た、と思う。
「今日はなんだか慌ただしかったなぁ…」
夜九時前の暗い道を、街灯と自転車の灯りを頼りに帰ってきた。瀧沢邸の大きな門をくぐると、ホッとするようになったのはいつぐらいからだったろう。
「ただいま」
鍵を開けて玄関の中に入ると、いつもは玄関扉の前で待ち構えているアンジュがいない。
「寝てるのかな?」
尻尾を振って出迎えてくれる彼女がいないだけで、なんとなく胸がざわついた。
静かに廊下を歩いて、リビングの扉を開けた。
夜九時だから、灯りの着けられてないそこは暗い。
カーテンを引いていない窓ガラスから、月明かりが差し込んでいる。
ドアの隣にあるライトのスイッチに指を掛けた瞬間、私はソファーの上の黒い塊に気付いた。
「!!」