恩返しは溺甘同居で!?~ハプニングにご注意を!!

 彼の首筋にギュッと掴まる。
 突然しがみついてきた私に、びっくりした修平さんが「杏奈?」と呼んだ。

 彼の呼びかけを無視して、彼の鎖骨当たりに顔をグリグリと押し付ける。

 「あ、杏奈?どうしたの?」

 その問いにも応えずに、より一層腕に力を込めて、彼にピッタリとくっついた。隙間を埋めるように自分の体を押し付ける。
 すると、彼の体がピクリ、と小さく跳ねるのを感じた。

 「杏奈、だめだよ…」

 私の肩をそっと掴んで、自分から引き離そうとする彼に、イヤイヤと駄々をこねるように首を左右に振る。ピッタリとくっつけた顔を振ると、私の唇が彼の鎖骨をなぞったようになる。

 「杏奈っ!それ以上くっつかれると!」

 無理やり力付くで私を引きはがして、切羽詰った声を上げた修平さんを仰ぎ見た。

 彼の瞳が欲望に濡れて揺らめいている。
 苦しそうに眉を寄せて、すこし怒ったように私を見下ろす。

 私はスッと伸びあがって、その唇に自分の唇を合わせた。
 一瞬触れ合っただけですぐに身を離す。

 瞳を見開いて、固まっている修平さんに、私は告げた。

 「私だって、修平さんが、全然足りないんだよ…」


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