恋愛基本法
タイトル未編集

わたしはいま、腸がぐちゃぐちゃと煮えくり返っている
とても綺麗とは言えないこの気持ち、わかっていただけるだろうか?

この2018年、恋愛基本法が施行された。
それはいまの私にとってはもってこいの法律だった。あとは、あとは、証拠だけ。

桐山希。のぞみなんてない今のわたしには自分の名前さえも嫌味だった。
それとは対照的な葉山梨華は、高校生活を一緒に過ごしてきた、。。親友である。
親友というと、仲がいいものをいうであろう。ただ、ただ、わたしたちはお互いの立場を見極め、2年半一緒にいてしまったという顔見知りである。

本題は、わたしの怒れる理由。私は普段好きな人ができると梨華に逐一報告をしていた。
むこうもおなじく。
わたしは好きな人が新しくできたとき、報告しておいた。信任を得るために。
"付き合ったら幸せになれそうだね"

信任を得たようだ。
あるとき、いつも梨華と一緒の学習室にいくと、わたしの好きな人、純也と梨華が話している。
1週間前まで、2人は顔も知らなかったのに。
このときの胸騒ぎをいまも忘れられない。

"あっ、、希。やっほー、
今日何時までやってく?"

.
いや、おい。何時までもなにも今すぐ帰りたいくらいだよおい。
梨華は気まずそうな、許される術を考えている顔をしていた。
そんな顔も純也先輩の目にはかわいいと映るのだろうかと思うと悔しかった。
"今日は8時までやってく"

.
.
7:50
わたしが帰ろうと思ったとき、ご察しのとおり梨華がやってきた。
ま、だろうね。
"わたしも今日8時のバスで帰ろうかなって、かえろ〜?"
.
.
やだよ。


"駅までねー"

.
.、
帰り道、沈黙がつづく。


うーんと、この状況はわたしから聞いたほうがいいのか?
いやでも、心が狭いみたいでいやだ。


"怒ってる?"

うん。
"えっなにが?"
"あ、うーん。純也先輩の、こと。"

.
"仲良かったんだね!知らなかった!"
.
"なんか、うーん。話しかけられちゃって。いいひとだね、誰にでも優しい感じ?"
.
ええ、そうです、私みたいなひとにも優しいですね。
"優しいよね〜純也先輩。"

.
"希って、、"
嫌な予感。

"純也先輩のこと、すきだよね?"
.
あーー。
察しがついた。
"前にも言ったよね?わたし。"
"だよね!あ、うーん、。ならいいんだけどね、頑張ってね。応援する。"

おかしい。
応援するならそんな泣きそうな顔しないでよ。


"ごめん、希。
純也先輩に告白ぽいのされちゃった。
"


.
.
.
嫌な予感、的中





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