溺れて染まるは彼の色~御曹司とお見合い恋愛~
「わかった。今日から、咲に信じてもらえるようにする」
「別にそんなことしなくてもいいですよ。未来のある関係じゃないんだし」
今日の彼の嘘に付き合わされて、片想いはさらに冷えて凍結寸前だ。
少し誠実さを感じたくらいじゃ、そう簡単には戻せるはずもない。それに、どちらかというと彼よりも奈緒美の方が信じられる。
「これ、見て」
テーブルの片隅に置いていた、彼のプライベートの携帯が目の間に差し出された。
表示されているのは、女性の名前ばかり。それが登録している連絡先だとすぐにわかった。
「ほら、やっぱり。いろんな女性とデートして、いかがわしい関係を持ったりしてるんですよね? お見合いの前日に一緒にいた人だって、本当はそういう関係なんじゃないですか?」
「あの子は、本当にただの友達だよ。気心知れてるから、調子のいい言葉を並べたりするけど、五年の付き合いがあるんだ」