溺れて染まるは彼の色~御曹司とお見合い恋愛~
そして、彼の携帯に表示されている私の連絡先に目を瞠る。
「私の連絡先、登録してくれてたんですね」
いつまで経っても連絡をもらえなかったから、遊ばれたんだと思っていた。だから、あの雨の日に酷いことを言ってしまって……。
「俺が教えてもらったんだから、登録するに決まってるでしょ。まったく不思議なことを言うね」
彼はやんわりと微笑んでいるけれど、ことあるごとに驚かされたり、ドキドキさせられてばかりで、彼の本性がますますわからなくなりそうだ。
「それで、早速だけど今日これからと明日は、俺とデートしてくれませんか?」
甘酸っぱい響きに、胸の奥がドキッと波打つ。
人生初のデートを八神さんとすることになるなんて……。
「他の女性と会った方が、きっと楽しいですよ」
「無理だよ。咲に信じてもらうために、さっき誓ったばかりだ」
そうだった、と思い出し、私は小さく頷いて答えた。