溺れて染まるは彼の色~御曹司とお見合い恋愛~

「シャルドネっていう品種の白ブドウを使っているワインです。結構王道のものですが、三藤さんのお口に合うようでしたら、今度お食事をする時にまた飲みましょう」
「はい! 楽しみにしてます」

 下戸なのに飲めてしまうのは、それだけいいワインなんだろうなぁ。明日は休みだし、ちょっとくらいいいか……。

 八神さんと一緒にワインを飲める日が来るなんて、思いもしなかったんだから。



 それから、調子よくグラスを傾け続け、私はすっかり酔ってしまった。
 私の場合は、酔っても自覚があるタイプだけど、力が入らなくなってしまうのが難点。
 学生の頃、どれくらい飲めるのかも分からず無理をして、友人に部屋まで送ってもらったことがある。あんな迷惑は二度とかけまいと、以来飲酒は少なめにしてきた。


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