例えば、XXとか。

あれ、碧斗いない……

どこ行ったんだろ、初詣?

それより疲れたぁ 歩いたし……

あ~ 眠い、先にお風呂しようかな。



ドアが開き、閉まる音を聞いて浴室にいた私が出て行くと碧斗が帰ってきている。



「 碧斗!」

「 お前はぁっ!!」



えっ、何、待って……



「 怒ってるの? なんで?」

「 一人で新年を迎えてきますとかわけわかんねぇラインして消えやがって… バカがっ!」

「 な… なんでバカよ!」



帰ってきた早々これ?

新年の挨拶は?

何もなし?



「 新年早々、やな感じ!」

「 ほんとに一人だったのか?」


背を向けた私に言う碧斗。

私はどう答えるべきか……



「 ……伊佐波神社に行ってたの、一人で… でも、偶然 優雅君に会って一緒に回った。
友達と来ててはぐれたけど探さなくていいからって私といてくれた。
帰りも送ってくれたから 」



素直に答えた。

嘘は言う必要ない。



「 良かったな 」



え、良かった? なにそれ……


「 何が良かったって言うの? それムカつくよ… 私、碧斗と一緒に初詣したかったのにっ
優雅君とで良かったって言うの?
信じらんない…… 私なんて気にもしないんだねっ 」

「 は? ちょっ、伊織っ 」



ムカつく、良かったなんて言われたくない!

人の気も知らないで……





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