例えば、XXとか。

菜月が禁断の恋だって言ったの。

もう、その通りだよ碧斗。

碧斗が思ってくれるより、私はもっと思ってるんだよ。



「 伊織、なぁ聞けよ… 何度も言う、妹だなんて思ってない、だからお前に触れたいしキスも当たり前にしたい、離れる気は毛頭ない。
もし、親に反対されても俺はいいよ、伊織だけを見てるから、お前だけが欲しい 」



バカだよ、碧斗。

どんなに、どんな風に言われても、その度に私は碧斗をもっと好きになる。


怖いくらい。



「 顔、見せて伊織… 」



触れ重なる唇が、とても恋しい。



「 ……宿木だからキス?」

「 宿木?」



ああ、と宿木の下にいるとわかった碧斗。

私を見てまた、キスを……



宿木にある花言葉。


忍耐、困難に打ち勝つ、克服……


キスして。



「 お前しか、いらない 」



碧斗の声が切なくて……



「 伊織が好きだ 」



切なく聞こえるのに、甘い強い言葉……



「 俺のすべてから離さない 」



宿木は真冬でも実を枯らさない。

私の心も、碧斗がいれば枯れない。








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