例えば、XXとか。
布団に入りしばらくして眠る。
伊織が寝ている間に滉が訪ねてきていた。
「 暇だな、お前 」
「 気になるだろ、心配だし。なんたって俺にも責任あるだろ 」
「 何の責任?」
「 傘だよ、傘。俺がちゃんと渡せてれば…… よっぽど嫌だったんだろうな、碧斗の傘ってのが 」
聞いていて腹が立つ碧斗。
滉がいても治らないと言って追い出そうとするが帰らない。
「 碧斗、伊織ちゃんと仲直りした?」
「 ケンカしてたわけじゃない 」
「 お前が冷たく扱うからだろ、伊織ちゃん女の子なのに 」
「 滉、お前ってうるさい奴だな 」
滉に帰るよう言っても、まったく聞いていない滉はリビングでくつろぐ。
「 碧斗、ジュースくれ 」
「 テメェでやれ!!」
二人の賑わしい声に伊織が目を覚まし、力ない足取りで起きてきた。
そこに碧斗を押し退け滉が支える。
「 大丈夫、伊織ちゃん 」
「 あ… はい 」
トイレ、気持ち悪い……
熱は引いても変わらない体調、それでも空腹がさらに気持ち悪さを悪化させるため、キッチンへ行くと滉が執拗に着いてくる。
それを見ている碧斗は落ち着かない。