例えば、XXとか。

冬休みとはいえ、お互いにバイトで顔を合わせている時間は短い。

碧斗は深夜までバイトにも関わらず朝は私の起きる時間には顔を出す。

何気ない優しさを感じる。

運転する碧斗の隣で、喋らない姿になぜか惹かれる。



黙ってるとほんとイケメン……



「 見つめんなら外見て呆けてろ 」



ムカつく!

ほんとイケメン台無し!



バイト先であるドラッグストアに着いて降りる。

フロント前を通り碧斗にお礼を言おうとすると、窓を開けてくれた。



「 ありが… 」



え… ちょっと?



開けてくれたはずの窓が閉められて“バーカ”声のない言葉を言って車を出して行ってしまった碧斗。



「 な… バカって…… あんたがバカでしょ!ほんとムカつくんだからー!」



もう叫んでも碧斗には聞こえない。

ただ、悔しい思いだけ。



大丈夫かな、私……







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