例えば、XXとか。
碧斗の勘違いを訂正し、菜月に紹介してほしいと改めて話した。
そのせいなのか、気のせいなのか、碧斗の顔から強ばりが消えた気がした。
「 そう言うことは開口一番に言え!」
「 それは、ごめん。それで紹介してくれるの?」
「 難しいかもな、なんせ彩膳だからな。女店員も美人ばっかだから 」
なんか、すっごく嫌な感じなんですけど!
私はともかく、菜月は可愛いよ!
「 人の好みなんてわからないでしょ、いつどんな形で好きになるかは本人しか… 」
「 お前は? お前も彩膳の奴ならいいっての?」
私?
って言うか、なんで近寄るの……
碧斗が私に詰め寄るようにして至近距離。
それだけでもう、ドキドキする。
「 私は… 」
「 何、言ってみろ 」
あんたに一目惚れしたんだよ、だからつまり……
彩膳、って事で……
でもそんな事言えないし、なんて答えれば?
「 お前、もしかして好きな奴いるとか?」
「 え… 」
ドキッとした。
目の前にいる碧斗に言われたからか、ドキドキが増して止まらない。
「 そ、そう言うあんたは、どうなの?」
「 ……いるって、言ったら?」
それは私のドキドキをこじらせるものだった。