例えば、XXとか。


「 碧斗、なんでわざわざ伊織ちゃん置いて先に来てんだよ 」



滉が言うとフイッと顔を背けて無視。

碧斗は菜月の顔がわかるのに声をかけないため、滉が声をかけ四人の間で挨拶し合う。

それから10分ほどして私は到着した。



「 ごめん、菜月!遅くなっちゃった 」

「 伊織、いいの気にしないでね、大丈夫 」



うわ、菜月が優しい~ 怪しい~



そして頭に刺さるような視線が……

まずは笑顔ということで、碧斗たちに遅れた事を謝る。



「 伊織ちゃん、碧斗が悪いから気にしないでいいよ 」

「 滉さん、ありがとう 」

「 滉君、ね。伊織ちゃん 」



私、滉君ってちょっと苦手かも。

優しすぎて……



「 紹介する、こいつが優雅。優雅、これ伊織な 」



これって!

私を何だと思ってんだか、ほんと最低っ



「 伊織… 可愛いね 」


優雅のこの言葉、私は心の中で発狂していた。


“可愛いね”


記憶を辿れないほど昔に言われたような気がする程度しか思い出せない言葉。

彩膳店員だけあって、優雅は碧斗と大差ないイケメンさ。

嬉しいと同時に顔が熱くてたまらない。



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