例えば、XXとか。

隠さなくちゃ……



「 伊織ちゃん、俺と付き合おう 」



優雅が私にそう言った。

そしてこうも言った。



「 俺と付き合えば、何かが変わるよ 」



変わる……

変わるとすれば、私の中にある気づいてはいけなかった気持ち。

優雅と付き合えば、変わる?



「 よろしく、俺の伊織ちゃん 」



差し出された優雅の手の平に、ゆっくり手を重ねた。

私の本心を見透かした優雅の誘いだとしても、
私はそうしないといけない、そう感じざるを得なかった。

店を出て、そのままバイトに送ってもらった。

優雅は引き返し碧斗に会いに。



「 なんだよ、時間早すぎだろ 」

「 碧斗に話があってさ 」



そこへインターホンが。

出れば滉だった、中へ通すと優雅がいるのに驚く滉。



「 ちょうどいいわ、碧斗、滉、俺と伊織ちゃん付き合う事になったから。
二人ともちょっかい出すなよ、俺のだから 」



何かしら意図を感じずにいられない碧斗は睨む。



「 優雅、何考えてんだ 」

「 俺も聞きたいね、優雅 」

「 そばにいてやりたいって思ったんだよね、なぜか。あと、誰かに取られるのは嫌だなって 」



聞いている碧斗と滉。

腑に落ちない二人は気に入らない。



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