例えば、XXとか。

何言ってるんだと、菜月に軽く怒られた。



「 ねぇ何をそんなに悩むのかわかんないけど、どんなに悩んでも心にあるのが真実で本音だと思うよ 」



菜月に言われるとは……

そうなんだけど、頭ではわかってる。

でもその切り替えが難しいって言うか……




「 あんまり悩むと知恵熱出ちゃうかもよ~ 」

「 子供じゃあるまいし!出ないから 」



そう、私は知恵熱を出してもいいほど考え悩んでいた。

どのみち答えはないとわかっている。

それでも確かな事は“兄妹”“家族”だと言うこと。



どう心で決めろって?

もう優雅君と付き合うってなってるし、今さらやめますなんて言える?

もう、どうしたら…… あ、ラインだ。



お客から見えないようにポケットに隠しているスマホが揺れた。

商品を出しながら段ボールで隠すようにして見てみると優雅から。



“バイト頑張ってる? 俺も頑張るからね”



クスッと笑みがこぼれ、でも、私は素直じゃないと再認識。

これがもし、碧斗なら?

碧斗は今何してるんだろう……



優雅に返信せず画面を切り替えて碧斗。



まだ寝てる?

もう昼過ぎだけど……




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