絶対やせてやる!
「一馬さんっていいんじゃない?彼にしといたらぁ?」

帰りの車の中で妹が言った。

「そう簡単に言うけど・・・。」

そう簡単でもないのが現実・・・





その後――――


会社で古宇支店長を見る目が変わってしまった自分に気が付いた。

「若木先輩、よだれ垂れてますよ。」

「えっ?」

「ジョ~ダンです。
でも、そんな感じで見てましたよ、支店長のこと。」


毒舌後輩が、鋭い観察力でそう言ってきたのでバレバレなのかと慌てた。


「な、なに言っちゃてるの。そんな訳ないじゃない。」


確かに気が付くと彼を目で追ってたりする。

日焼けしてるのはそのせいだったんだ~とか、
スーツ姿だと分からないけど結構筋肉付いてたし、
腹筋とか割れてたな~とか・・・


これじゃあ仕事にならない!

・・・


目が合った・・

微笑まれた・・・

でも・・微笑み返す仲じゃない・・・

慌てて視線を逸らすしかなかった。


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