絶対やせてやる!
「妹さんの結婚式でしたね。」

「はい。ご迷惑お掛けしますが・・・。」

「大丈夫ですよ。ついでに東京見物でもして来て下さい。」


妹の結婚式の為に休暇届を出した。

古宇支店長も前から分かっていたからすんなり許可が下りた。

本当は、土日と1日ぐらいのつもりだったけど、
せっかくだから早めに行ってゆっくり帰ることにした。


「若木先輩の妹さんってすごい美人でしたよね。」

妹の結婚式と聞いて騒ぐ毒舌後輩。


「そんなことないよ。普通だって。」

「え~~~、妹さんを普通だって言ったらあ、
みんなブスになっちゃうじゃないですか?」


おいおい・・・ケンカ売ってんのか・・?

分かってるけどね。

30過ぎた姉が妹に先を越されるのが面白いんでしょ?


「若木先輩にもきっといい人現れますって・・・。」


慰めてんの?


「ありがとう。私より先にお嫁に行かないでね。日高さん。」


ニッコリと微笑んでそう毒舌後輩に言ったら、


「若木先輩こわ~い!」

「どうして?」

「若木先輩が私のこと苗字で呼ぶときって、怒ってるときですもん!」

「怒ってないって。ほら、にこやかでしょ?」

「目が笑ってないじゃないですか~。」



大げさに怯えて見せる毒舌後輩・・・


でも、本当は全然怖がってなんていないから、

「若木先輩より後になんて言ってたら、お嫁に行けなくなっちゃいそう~。」


ボソッと最後に呟いた。



くぉの~~~~~!



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