Miseria ~幸せな悲劇~


葬儀場の中には美花の親族や関係者の他にたくさんの凪瀬校の生徒の姿があった。


「うぐっ、ぐずっ……」


西洋風の教会のような造りの式場だ。


詩依はここに来てからずっと涙を流していた。隣には、担任の恵が座っている。普段はいたずら好きでひねくれた詩依が涙を流す姿を恵は初めて目にした。


「自殺ですって。美花さん」


詩依の近くの参列者が美花について話していた。本人達は小声のつもりだろうが、詩依にははっきりと聞こえた。


「可愛そうに、まだ高校生でしょ?」


「なんでも怪我のせいで得意なスポーツができなくなったって」


「えっ、それだけで死んじゃったの?」


「だから分からないのよ。最近の娘は……」


年配の参列者はどこか美花を嘲笑するように話していた。詩依はその言い草が気にくわなかった。


< 197 / 394 >

この作品をシェア

pagetop