Miseria ~幸せな悲劇~
「祐希ちゃん、どうしたのかしら?」
祐希の叔母は熱心にテレビを見ていた叔父にむかって言った。叔父はたいして気にかけることもなく首を横にふった。
「姉ちゃん、帰ってくるのかな…?」
「はっ?」
祐人の口から何となくそんな言葉が溢れてしまった。
「………それってどういうこと? 祐人君?」
「え、えっと……」
うまく説明ができるほどその言葉に根拠はないのだろう。ただ祐人には雑然とした薄黒い不安感が心のどこかにあったのだ。