Miseria ~幸せな悲劇~

「あっ、そういえば今日、サッカー部のやつらが喰イ喰イのこと噂してたっけ」


詩依が思い出したように言った。


「噂って? どんな?」


興味深そうに祐希が聞き返した。


詩依は桃のゼリーを食べていたスプーンを置くと、芸能ゴシップを語る記者のような顔で祐希に言った。


「それがサッカー部にいるらしいのよ。喰イ喰イを呼び出したって噂のやつがね!」


あまりにも唐突な話に、メイと祐希は思わず驚きの声をあげた。


「本当なのそれ…!」


祐希は驚きと好奇心が混ざりあったような顔をしていたが、メイは少し考えて思わず苦笑いを浮かべた。


まさか、ありえない。


そんな言葉がメイの頭を過った。


「気になるなら確かめに行ってみる? ちょうど美花も部活が終わる頃だろうし」


詩依はそう言って立ち上がった。


三人は美花を帰りに誘うついでに、噂の真相を確かめることで一致した。


メイは、まだおまじないの存在を信じてはいなかったが、とりあえず、その場のノリで、この噂に付き合ってみることにした。
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