君だから。
「晴翔くん。バスケお疲れ様」
「ああ、うん。ありがと!」
「どうしたの〜?」
梓ちゃんは何故か嬉しそうに晴翔くんに問いかける。
「葵ちゃん借りても、いいですか。よかったら、お昼一緒に食べませんか?」
早口でそう言った晴翔くんの顔は少し赤いような気がした。
きっと、試合の後で疲れたのかな。
頑張ってたもんね。
「あらー、葵。ご指名だよ〜」
「えっ?どうして私?」
「えっと、それはー、その、なんて言うか…」
とたんに口ごもる晴翔くん。
「葵ちゃんと一緒に食べたいなと思って」
「九条くんてば、やるねー。貸してあげる。ほら葵、行ってらっしゃい。」
凛に背中をぐんと押され、私は晴翔くんの目の前へ。
ど、どうしよう〜。
そんなこんなで私たちはお昼休みを一緒に過ごすことになった。
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「それ、葵ちゃんが作ったの?」
私のお弁当箱を指差して興味津々にしている晴翔くん。
私は高校生になってから毎朝自分でお弁当を作っていた。
元々料理が好きだったこともあり、なるべく自分で作るようにしている。