君だから。


「晴翔くん。バスケお疲れ様」


「ああ、うん。ありがと!」


「どうしたの〜?」


梓ちゃんは何故か嬉しそうに晴翔くんに問いかける。


「葵ちゃん借りても、いいですか。よかったら、お昼一緒に食べませんか?」


早口でそう言った晴翔くんの顔は少し赤いような気がした。


きっと、試合の後で疲れたのかな。


頑張ってたもんね。


「あらー、葵。ご指名だよ〜」

「えっ?どうして私?」


「えっと、それはー、その、なんて言うか…」


とたんに口ごもる晴翔くん。


「葵ちゃんと一緒に食べたいなと思って」


「九条くんてば、やるねー。貸してあげる。ほら葵、行ってらっしゃい。」


凛に背中をぐんと押され、私は晴翔くんの目の前へ。


ど、どうしよう〜。


そんなこんなで私たちはお昼休みを一緒に過ごすことになった。



✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼


「それ、葵ちゃんが作ったの?」


私のお弁当箱を指差して興味津々にしている晴翔くん。


私は高校生になってから毎朝自分でお弁当を作っていた。


元々料理が好きだったこともあり、なるべく自分で作るようにしている。

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