極悪プリンスの恋愛事情


約束していた相手もいないし、せっかくなら私も文化祭を楽しみたい。


ちょっとずるい考えだけど、岸本くんと一緒なら凛くんの小さい頃の話とか聞けるかもしれないし。


「じゃあ、一緒に行こうかな」

「さっすが花野井ちゃん!そうと決まれば早速行こう!」

「うん!」


岸本くんと一緒に文化祭をまわるのは変な感じだけど、お祭りごとは好きだからわくわくする。


何食べようかな〜。と、鼻歌交じりに考えていたら隣を歩く岸本くんに気づかれて笑われた。


「ふはっ、鼻歌って。花野井ちゃんご機嫌だね」

「別にいいじゃん!文化祭好きなんだもん」

「うん、俺も好き」


岸本くんがにこりと笑う。


なんか……こういう人懐っこいところが魅力なんだなって改めて思う。


凛くんに出会わなかったら、簡単に落ちていたかもしれない。

あくまで仮定の話だけど。


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