極悪プリンスの恋愛事情
凛くんに頼めば一緒に居られるし赤点も回避できるしで一石二鳥だ。
皐月、ナイスな提案をありがとう。
「よし、今から凛くんのとこ行ってみる!」
「今から!?お昼食べようよー」
「先食べてて!すぐ戻るから!」
そう言い残して足早に教室を出た。
皐月は不満げに口を尖らせていたけど、この際仕方ない。自販機でジュースでも買って許してもらおう。
凛くん……この時間ならきっと中庭にいるはずだよね。
迷いなく一直線に中庭へと向かった。
騒がしくなった廊下で人の間を器用にすり抜けて、外へと繋がる入り口を出る。
寒っ……。
冷えた風が一瞬にして私の体温を奪った。
12月にもなると、少し外に出ただけで体が凍えてしまいそう。
こんな寒空の下で凛くんは今も過ごしているのだろうか。