極悪プリンスの恋愛事情
「岸本と本気でデートするつもりなの?」
「うん、する」
「まじ?」
「だって約束しちゃったんだもん。テストで1位取ったらデートするって」
凛くんを好きなままでもいいって言ってくれたし、勉強教えてもらった手前ばつが悪くて断れないよ。
片想いの苦しさは私だってわかってるつもりだから。
「じゃあ、今日の成績発表で運命が決まるってわけか。10位以内の人は放課後廊下に名前貼り出すって言ってたし、楽しみだね」
「うぅ……頭痛くなってきた……」
正直、自分の成績なんか二の次で岸本くんのことばかり考えている。
怖くてテストの点数はひとつも聞けなかったけれど、頭のいい彼なら殆どが高得点のはず。
学年1位だってありえない話じゃない。
はぁ…………。
一体どうなっちゃうんだろう。