極悪プリンスの恋愛事情


そんな凛くんに合わせて、私は明るめの色でコーデを組んできた。

隣に並んでもバランス悪くないよね?


お似合い………とまではならないかもしれないけど、恋人同士に見えてたらいいなぁ、なんて。



「………なぁ、さっきから俺のこと見すぎだろ」

「へっ!?」


こっそり見ていたつもりだったのに、どうやらバレていたらしい。

大袈裟に舌打ちをしながら「ほんときもいわ」と、吐き捨てられた。


「ご、ごめん!凛くんの私服姿があまりにもかっこいいから………」


って、こんなこと言ったらもっと怒るかな。

口に出してすぐに後悔の文字が頭を過った。


「お前はそればっかだな」

「あはは……」

思った通りの呆れた言葉が返ってきて、何も言えず苦笑いで誤魔化した。


あーあ、私ってばなにやってんだろ。

せっかくのデートなのに、凛くんを不機嫌にさせてどうすんのさ。

これじゃあ凛くんとの距離を縮めるどころか遠ざけてるようなものだよ。


自分の不甲斐なさに呆れて、私自身もため息が溢れそうだ。


開始早々、先が思いやられる展開に不安が募る。


こんな調子で凛くんを振り向かせることなんてできるのかな………………。


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