極悪プリンスの恋愛事情


交換したカーディガンを着ても、お揃いのマフラーを巻いても、隣に凛くんがいなきゃ虚しいだけ。


私はちゃんと戦えてるのに。

いつになったら認めてもらえるんだろう………。


ゴミの片付けがひと段落ついた頃、廊下から凛くんを呼ぶ声が聞こえてきた。


「ねぇねぇ、相崎くん!今日の放課後映画見に行こうよ」

「はぁ?相崎くんは私とカフェ行く約束してるんですけどぉ!」

「残念ながら私とショッピングに行くんです〜」


相変わらず凛くんは女の子に囲まれていた。

私も近くに行きたいけど、みんなの前で絡まれたくないし………我慢しなきゃ。


「うっざ。誰とも出掛けねーよ」

「でも花野井静香とは遊んでたじゃん!」

「あの子だけってずるくない〜?」


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