極悪プリンスの恋愛事情
「相崎くん、早く教室行こーよ」
「今日の体育はバスケだって〜」
私と凛くんの会話を遮るように、取り巻き子たちが、凛くんの腕にぎゅっと抱きついた。
うぐっ………。
凛くんに触らないで!って言いたいところだけど、彼女でもなんでもないから、何もできやしない。
まぁ、別にいいか。
私は凛くんとカーディガン交換するくらいお近づきになれてるし、他の子より絶っっっ対仲良い自信あるもん。
ファンの子たちは、私と凛くんがカーディガンを交換していることにもちろん気づいていない。
この小さな秘密に、ちょっとした優越感を感じてしまう今日この頃なわけですよ。
そんな1人言い訳劇場を繰り広げている私の耳に、彼の冷たい言葉が飛んでくる。
「気安く触んな」
女の子たちの腕を強引に振り払い、鋭い目つきで睨む凛くん。
その冷酷な瞳に圧倒されて周りは肩を震わせた。