極悪プリンスの恋愛事情

嫌いの裏に隠した秘密



「衣装届いたから、何人か試着してみてくれないー?」

「あ、私岸本くん呼んでくるよ!」


10月半ばに入ると、教室は一気に文化祭ムードで活気だっていた。


今日も放課後の時間を利用して、みんなで文化祭の準備を進めている最中。

看板担当の私も、筆を持って大いに張り切っていた。


「よし、完成!」


『メイド&執事カフェ』と書かれた看板を見て、満足げに頷く。

一緒に作業を進めていた皐月も「なかなか綺麗にできたねー」と、楽しそうにしていた。



この看板からわかる通り、私たちのクラスはメイド&執事カフェをやることになっている。


本当は焼きそばとかクレープとか、定番のやつでいいんじゃないかって話だったんだけど、凛くんと岸本くんの執事服姿が見たいという女子のゴリ押しにあっさり負けてしまったのだ。


そして、2人だけに仕事を押し付けるのもよくないよねって話になり、私たちのクラスはメイド&執事カフェになったという…………。


もちろん、凛くんは面倒だって全否定してたけどね。


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