極悪プリンスの恋愛事情
現に今だって、凛くんは教室にいない。
6時間目はサボりだったから、また中庭で寝てるのかな?
教室に鞄は置きっぱなしだし、たぶん学校のどこかにはいると思うんだけど。
凛くんが教室にいないだけで寂しいなぁ……。
「ねぇ、静香。ぼーっとしてるとこ悪いんだけど、ほっぺにペンキついてるよ?」
「え、どこ!?」
皐月に声を掛けられて、焦って頬を擦った。
けれど手にペンキはつかなくて「似合ってるからそのままにしとけば?」と、皐月に笑われる。
「笑わないでペンキとっーーーー」
「きゃぁああ!岸本くんかっこいい!!!」
「え、」
すると突然、私の声をかき消すように、廊下から女子の叫び声が聞こえてきた。
なんだなんだと思い廊下に視線を向けると、そこには岸本くんが立っていて。
「やっぱり岸本くんも超イケメンなんだね〜!」
「執事服めちゃくちゃ似合ってる!」
と、女の子に囲まれていた。