極悪プリンスの恋愛事情
自分勝手だから、私が寂しいんだ。
「はっ……顔にペンキつけてるやつに言われたくねーよ」
すると凛くんは呆れたように笑い、私の頬についたペンキを擦った。
手の甲についたペンキを見て「楽しんでんじゃん」と、言う。
「でも私は凛くんと一緒に……」
「知らねーよ。帰るとこなんだから邪魔すんな」
「え!?まだ話の途中────」
どうにか引き止めようとしたけれど、凛くんは本当に階段を降りて行ってしまった。
そ、そんなぁ……。
言いたいことがまだあったのに。
見えなくなるまで凛くんを見つめて、最後にはガックリと肩を落とした。