お見合い結婚狂騒曲
「とにかくね、見合いであっても、恋愛であっても、真央が幸せになることが、貴女を見守っている人たちの幸せでもあるの。せいぜい葛城さんに幸せにしてもらいなさい」

「ーーううん、それは違う。幸せにしてもらうんじゃなく、二人で幸せを築いていくんだよ。公香もそうでしょう」

ああ、そうだね、と公香は笑いながらも、とうとう我慢し切れなくなったのか、涙をポロポロ零し始める。

本当、最高の親友だ。
だが、散々、涙を流し、満足したのか……こう宣った。

「それでなんだけど、披露宴に我がダーリンも呼んでくれない?」

ん? と思っていると公香がニッと笑う。

「葛城家と繋がりを持っておくと、ダーリンの仕事の幅も広がるかなってね、内助の功よ」

何が内助の功だ! この打算女! 本当にこの女、抜け目がない。

そう言えば……結婚式だの披露宴だの、あれから葛城圭介と、一切話していないがどうなっているのだろう?

「お家柄、色々あるんでしょう。全一任した方が気が楽よ」

経験者は語るだ。
確かに、公香の結婚式も披露宴も盛大で素晴らしかった。公香も満足だったようだ。

でも、父母もいないし、私はアットホームなこぢんまりとした式でいいんだけどな……と思っていたら……。
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