お見合い結婚狂騒曲
「まぁ、手っ取り早く言うとそういうことだ。やっと話が通じたか、君は理解するのに時間がかかり過ぎる。本当に馬鹿だ」

ムッカー! それが人にモノを頼む時の態度か!

「葛城圭介先生、貴方、一度、地獄を見て来られた方がよろしくてよ」
「それは、僕に一度死ね、と言っているのか」

流石、理解するのが早い。

「それ程、貴方の態度は最低です、と申し上げたいのです!」

いやだ、メチャ気持ちイイ! 新生ドS赤尾真央の誕生?

ハッキリものを言うって最高! と思っていると、無言で聞いていた葛城圭介が、フーッと深い息を吐く。

「ーー訊いてもいいか? どの部分が最低なのだ」

アングリと口を開け、ただひたすら葛城圭介の顔を見つめる。
ダメだ、この男、やっぱりアンドロイドだ。

「ーーもういいです。先生はその姿勢、一生貫いて下さい。では、私は仕事に戻ります」

ペコリとお辞儀をし、立ち上がろうとすると、「ちょっと待った」とストップがかかる。

「返事がまだだ。僕は仮交際しますと返事をした。君の返事は!」
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