お見合い結婚狂騒曲
やはりそうだったみたいだ。
公香は大好きなお酒をテーブルに置くと、興奮気味に話し始める。

「だっておかしいと思わない? いくら葛城さんがイケメンだとしてもよ、高校生から見たら、やっぱりオジさんじゃない?」

まぁ、そうかもしれないが、昨今は年の差カップルって意外に多いのでは、といつもの如く恋愛小説を思い出す。

「でね、どうやら真斗が関連していたみたい」
「二人は同級生で幼馴染で悪友だってね。見合いの席で真斗さんが言ってたよ」

コクコクと公香が頷く。

「真斗って、あんな風だけど、年上に意外と受けがイイのよ」

分からなくもない。大型犬ぽいが、『忠犬ハチ公』で知られる秋田犬みたいで、太々しく見える時もあるが、憎み切れない可愛さがある。

「真斗も分家筋なんだけど、本家のお祖父様が真斗をとても可愛がっていて、再々呼び出すわけ。で、真斗もマメに行くのよ」

行くとお小遣いが貰えるらしい。ちゃっかりしているのよね、と公香が苦笑する。

「でね、その犠牲になったのが、葛城さんみたい」

「犠牲?」と首を傾げる。
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